「葵、今日はどうする?帰るなら送るけど…」

「え?居てもいいんですか?」

驚いている葵。

「本当はダメだけど、俺が勝手に連れて来ちゃったからね」

「じゃぁ、ここにいます」

葵は目を輝かせて言った。

「分かった。簡易ベッドここにあるから使っていいよ」

「ここに、常設されてるんですか?」

「この部屋はみぃの部屋だからね。
このベットは叔父さんが買って来たんだよ」


「やりそうですね。叔父さん…」

みぃのお父さんは、城之内コーポレーションの社長さん。

滅多に会わないけど、子どもへの愛情は忘れていない人だ。

「それだけみぃの事を気にかけてるって事だよね。側に居なくても…」

みぃの両親は世界を飛び回っているから、なかなかみぃの側に居ることが出来ないんだ。

主治医の俺に

『みぃの事をよろしく』

と頼むその言葉の中に、込められた思いは重いと思う。