驚いた顔をする野上さん。

「文句を言わない代わりに、それとなく拒否を示すから……
今までの新人はその拒否にやられちゃったけどね…」

「拒否って…」

「う〜ん。
返事はするけど、目は合わせない。
自分からは話題を振らない。
後は、何でも『大丈夫』って返事する事かな」

「大丈夫?」

「そ。熱があっても、吐き気があっても、目眩があっても、発作が起きてても。新人のナースには大丈夫しか言わない」

「それって….…」

「素直に間に受けちゃうと大事になるわよね。
だからみんな自然と避けちゃうのよ」


「….…私もそうなりますかね…」


「これからの野上さんの対応次第よ。
言ったでしょ。
私もみぃちゃんで失敗した事あるって」


「対応次第….…」

「そう、ある意味難問よね…」

思わず苦笑してしまう…

「前園先輩は、どうされたんですか?」