<十日目>
「…きろ…きるんだ…ラウン…いへんだ…」
「あと五分…いいでしょ…?」
むにゃむにゃと夢の中から話していた私は、次の一言で飛び起きた。
「ホセが倒れたらしい。意識不明の重体だ」
頭の中白い稲妻が走ったような感覚。
意識が飛びかけて、私はふらりとよろめいた。
「しっかりしろクラウン。姫が倒れてどうする」
「セイ…?」
「ああ。命に別状はないらしいから大丈夫だろう。死ぬことはない」
目の前に見えるのはセイ。
しっかりと瞳が座っている。
私も見習わなくちゃ…
『最高神だろ。何にも動じない強い心を持て』
ホセがそういってたもの。
でも、やっぱり怖い。
「このまま起きないってことは!?」
「安心しろ。落ち着くんだ」
『落ち着け。お前はいつも一人で突っ走るんだから。悪い癖だ』
ホセ…
「でも…」
「『大丈夫だ。心配いらない』」
頭の中でホセとセイが重なる。
くらくらする。ホセが優しく話しかけてる…
「嘘つき…ホセいつも、大丈夫じゃないじゃんか…」
怖い恐いコワイ…
失いたくない…もう二度と。
いつも何かを抱え込んで、独りでいるホセは儚くて。
消えてしまいそうなほど弱いから、いつも一緒にいてあげないと死んじゃうから。
月兎みたいに、本当は寂しがり屋だから、独りにしたら駄目なの。
絶対に、駄目なのに…
「ごめんね…寂しかった…?」
ホセは、心も体も、本当はとっても弱い。
誰よりも、生き物のことが好き。
偽ってても、分かってた。
分かってるつもりだった。
「怖い…」
大丈夫だっていうなら、どうして倒れたりするの?
【クラウンside】 End


