【クラウンside】
<3日目>
「本当に素敵な方です。貴方は」
「ありがとうございます」
確かにセイは素敵な人。
ホセの言う通り格好いいとは思う。
長い髪は漆黒で、髪留めは、今は珍しい紐。
鼻は少し低いし、肌もなぜかちょっと黄色い。
でも程よく焼けていて、頼れる気がする。
背もホセと同じかその位。
格好いいよね。うん。
…まあ、ホセには遠く及ばないけど(笑)←
え、本人も言ってたからね?
確かにそうですね。でも仕方ないです。彼完璧ですから。
って真顔で言ってたからね?
うん。ホセ格好いいもん。
「そういえば、あの美形殿方は?」
「え?」
「赤い髪の」
「ああ、ホセなら、調子悪くて。
あと、敬語使いやめませんか?」
「そうか。じゃあ止めようか。もともとキャラじゃないんだよな…(ニヤリ)」
なんか様変わりしてない?
気のせい?
「調子悪いって?悪魔なのに風邪ひくの?」
「あ、まあホセの場合…体の抵抗力が普通の人に比べて著しい低下を見せているというか…」
「へぇ…確かに顔色が悪かった」
「でもどうしてそんなにホセのことばかり気にするの?」
「邪魔してこないのが不思議でね…ニヤニヤ」
何やら意味ありげな怪しすぎる笑顔のセイ。
ホセの70パーセント怖い。←
「でもこの婚約を進めてきたのはホセなんだし…」
「意外。反対とかしなくて?」
「全くそれはなかったけどな~」
「…意外」
「???」
やばい、全然話についていけなーい(泣)
「何で意外?」
「それは本人に聞かなきゃ」
本人?
ホセってこと?
「そういえば昨日とメイクの仕方が違うけど」
「昨日のはホセがやってたから」
「ククッ…何でもありの万能なんだ…」
「何でもできるから」
「ふぅん…ライバルにならないようにしなくちゃね…」
「え?///」
な、なにライバルって///
「そうなったら勝てる気しないからな…」
言うと同時にストレートの髪をするすると梳かれる。
まってまって格好良すぎでしょ///
「ずるい///」
だって…
「好きになちゃう…///」
本気になる気なんてなかったのに。
顔が赤らんだ。
ホセならきっと散々からかう。
でも、セイは優しくて。
何も言わない。
どうしよう、好きになっちゃうかも…
【クラウンside】End


