<二日目>
クラウン…
この宿命を知ったとき…お前は…
王だと、知ったら…?
・・・・・
「うぅ…」
頭がガンガンする。
目がチカチカする。
胸がズキズキと痛む。
「っあ!」
「おはようございます。」
「…あぁ」
ドクターとは顔見知りになれそうだ。
「今後も世話になるな、きっと」
「よしてください」
「今回のは見てたか?」
「…いえ」
「そうか。ありがたい」
___ガンガンガンガンガン…
頭痛い。
「バーナー取ってくれるか?摂るから」
「薬物過剰摂取慢性中毒状態…」
脅すようにカルテに書き込むドクター。
「いくら?」
「薬をやめてください」
「いや、それはでき「言うことも聞かない…危険状態にあり…」
「頼むからやめろって…」
わざわざぶつぶつ言いながら言うんだから恐らく誰かに言いつけるぞ、ってことなんだろう。
「何万欲しい?」
「同じことを繰り返す…幻聴の可能性大…」
…あることないこと報告する気か?
…それは避ける必要があるな。
「何億欲しい?」
「…精神医の紹介状の必要性あり。現状の報告文はこのカルテにて…」
だめだ…
「どうしろというんだよ」
「薬をやめてください。エスカレートします。
無茶なスケジュールを組むのをやめてください。死にます。
自分にとって最適な行動をとることに努めてください。狂います」
「…非常に説得力があるな」
なんなんだこの医者は。
「具体的には?」
「処方薬を素直に飲む。
最低五日間の休養を取る。
睡眠時間は一日平均五時間は確保。
人のことばっか考えない。振られるわけないんですから」
「却下」
ドクター…お前は素晴らしい医者だ。
「じゃなきゃ報告です」
「脅迫か…」
「そうでもしなきゃダメでしょうが」
「分かった。二つ目の項目は満たす。
三つめは…そうだな、一日三十分じゃだめか?」
「…(怒)」
「…俺だってそんなに寝てる訳にいかないんだよ。
ここ数日の遅れを取り戻さないと…」
「遅れの前にここ数年の栄養不足を補ってください」
頭が回らない…
こんなにドクターは頭の回る奴だったか?
「っ…バーナーを…あ、たま…がぁっ…割れそうだ…ドクター…」
苦しむ俺は、幻覚症状さえあった。
だって、知らなかったから。
俺の前にいたのは、ロランだったなんて。


