「…」
___カツン…カツン…
不気味に響く足音。
夜ってこんなに恐ろしいものだったか?
___キィィ…
暗く静まり返った自室。
ここはこんな場所だったか?
俺はクローゼットを開けると無造作に、巻いてあった包帯を破り捨てた。
「ズキン…」
その途端蘇る昨日の出来事。
そうだ、クラウンは…
「はぁっ…!?」
まただ、この感じ。
体中がそれを認めないようにしているようなそんな感覚。
「…今度は…負けないからな…」
冷たく言い放てば少しずつ痛みは薄れていく。
「大丈夫みたいだな」
着替え終わった俺は、朝の仕事を片付けるべく、自室を出た。
この時、俺の目を見た奴はいるのだろうか。
そいつだけは気づけただろうか。
その時俺は、どこも見てはいなかっただろうから。


