ラショナリズムシンキングLOVE


「ようこそおいでくださいました。

早速ですがこちらへおいで願えますか?最高神様お二方がお見えになっております」

柔らかく腰を砕いてお辞儀をした。

偽りのない敬意を示すつもりで。

「これはご丁寧にありがとう。

ところで、名前は…?」

「ジュエル・ホセと申します。

御娘の執事を申し付かっている身です。」

「ふうん…

僕はワコク・セイ。

可笑しな名前だけどね…代々そういうんだから」

「…申し付かっております。

使いの方はお休みに。

どうぞこちらへ」

「あぁ…サリナね…」

苦笑いしてはいるが本当に美しい。

こういう人がいるから俺みたいなちんちくりんが生まれてくるんだろうな…

そんなどうしようもないことを言っていてもどうしようもない。

開き直った俺は城内の案内を始めた。

「この宮殿はここ本殿をはじめとする合計14の塔の集まりです。

それぞれにアルファベットが振られており、御娘がおられるのはK塔です」

「今から行くのは?」

「はい、客間になっておりますD塔です」

「ご苦労様」

「…いえ、これほどのこと…」

綺麗な声。

綺麗な笑顔。

…いいな。

「こちらです。

…最高神様をお呼びしてまいいりますので少々お待ちください」

…はぁ…

「失礼、します」

泣きたくなる。