ラショナリズムシンキングLOVE


【side ホセ】

「ジュエルさん!!

ワコク・セイ様がお着きになりました!

どちらにご案内しましょうか!?」

「…俺の部屋以外はちゃんとノックしてんだろうな…?(威圧)」

「あ、すいませ~ん!一応気を付けてはいるんですけど」

「…馬鹿」

ノックもなしに部屋に飛び込んできた女。

こいつはワコク様のお付のサニー・サリナ。

前回会った時にはひどく馬鹿な奴だと思ったが違った。

こいつは、

「で、なんでお前が来るんだよ。」

「ん~?なんとなくで~す (´Д`)ホワァン…」

「…」

とんでもなく(ひどくの5倍ほど)アホで馬鹿だ。


「はぁ…今行く。お前になど任せておけるか」

「わかったわぁ~(´Д`)」

「…ピキッ…眠いならねとけ」

「ハッ!!お言葉に甘えさせていただきます!!」

「へ?」

最後に声を上げたのはロランだ。

世にいう天然、俺の中では単純馬鹿なサリナはほとんど使われていない俺のベットで爆睡し始めた。

それに驚いてロランは間抜けな声を出す。

「マジで寝んのか…」

「バカの考えてることは分かんねぇな」

「(お前の思考も理解できねえよ)」


俺は完全に夢の中へと旅立ったサリナをそのままにし、医務室へと向かう。

ロランは小首をかしげている。

「ロラン、そいつの世話は頼んだ」

「は?え?」

「俺は行く」

「あ、ちょっ!!」

「じゃぁな」

まあ死なせることはないだろう。

あの元気さなら一か月くらい放っておいてもよさそうだしな。

…試してみようか…


そんなようなことを考えているといつの間にか医務室の前。

不思議なものだ。

人ひとりどうやって死なせるかを考えるのに鳥肌一つ立たないなんて。

まぁ、いい。

___カツカツカツ…

小気味いい足音が薬剤棚に響いている。

比較的奥のほうにあるその薬瓶の中の錠剤を一気に使用量の1.5倍飲み下す。

さらにガスバーナーに似た噴射器の先にマスクを取り付け4秒間噴射。

数秒は猛烈な快感に襲われたが、すぐに治る。

「…これは止められそうにないな」

自分自身を嘲笑い、薬に頼るしかない自分の弱さに嫌気がさした。


そして、精神安定剤とバーナ(アヘン)を棚に戻した。

「いくか」


クラウンの婚約者…

ちゃんと笑えるかが心配だった。