「どんどん…重くなる…大きくなってくんだよ。
いつか、我慢できなくなる…
だからロラン、お前に頼みたい。
もし俺が、耐えられなくなったら…
耐えきれず、命を絶つとしたら…
クラウンに、アクアを頼むって、伝えてくれ。」
「…なんだよそれ、遺言みたいに…」
「そのころには恐らく理性さえ、意識さえ持たないかもしれないからな。
遺言…そうかもしれないな」
「アクアって誰だよ」
「俺の家族だ。
向こうは、そうは思ってないかもしれないがな」
「……絶対、早まるなよ」
「…できることなら、な」
諦めのこもったホセの言葉に、少なからずロランは驚いた。
無理だ、と一刀両断されると思ったから…
___やっぱり、自分のことを考えることもあるのか…
そんなロランの感心をよそに、ホセは自嘲の笑みを浮かべながら言った。
「だってな、悲しむだろ。
死んでまで三人に心配かけるわけにはいかないしな。」
「…」
ロランはホセの中から自尊心を探し出すことを諦めた。


