「おい、ホセ?」
「…ロラン」
心臓を抑えて座り込んだホセの頭上から声が降る。
「やばいな。俺本当に心臓が破裂するかもしれない」
「…ひどいな」
「くくっ…ああ。熱が出そうだ」
「無理すんなよ」
「……」
あくまで返事をしないホセにロランの心配は募る。
「…いいな、絶対相談しろよ。お前の命がかかってるんだ」
「そうだな」
見事に棒読みの生返事。
しかしロランは気けっこう長い間ホセのそばにいたのだ。
扱い方のレパートリーは豊富だった。
その中からロランは‟言うことを聞かないとき”の対処法を検索。
___ジュウサンケンガhitシマシタ。
ロランの頭の中には便利な検索機能がついている。
ただし動力は脳内細胞。
「ホセ、クラウンを巻き添えにしたいのか?」
「安心しろ。ちゃんと相談する」
ロランは心理学のスペシャリストだった。
「クラウンを傷つけはしない」
ロランは思った。
____バカホセ。
ホセは自分に試練(単なる拷問)を与える気満々だった。


