「…いいな、これからは身勝手な行動は慎め」
「はい」
「すみませんでした」
始まってから三時間半後、ようやく解放されたロランとクラウンは精神的にかなり疲れ切っていた。
竹刀が直接当たることはなかったが、背中側を歩くホセは見えない。
そのうえ、何の前触れもなしに肌を掠るほど近くに振り下ろされてくる。
クラウンもロランも、本当に疲れ切っていた。
「…夜明けまで書き取り。いいな」
「せ、せめて寝せてよホセ!」
「…座禅しながら寝てみるか?」
二人は揃って真っ青になった。
「鬼だ…」
「……同感」
渡された分厚い伝書を見て、二人は顔を見合わせた。