やがてすべての窓を拭き終わったホセは、今度は昼食を作るべく調理室へ向かう。
「万能創造魔法…Lv.6 make food.」
「…食材、作るの大変なんじゃないんですか?」
「……あ、料理長。そんなことないです。休んでてください。仕込みやっときます…それと、俺なんかに敬語使うことないです」
「使いますよ、普通。」
「…新入りに使うって規則でもあるんですか?」
「ないけど…尊敬してるから…」
「…どこをですか?」
全く自覚がないホセはからかわれてると思っているらしい。
「…」
料理長、沈黙。
「…どうでしょうか?」
「…完璧。味、香り、見た目どれも申し分ない。今すぐコックを変わってほしいくらいだ」
「そうですか…そんなにひどいですか?」
どこをどうとったのか、ホセはとても落ち込んでしまった。
料理長は混乱。
「…そういえば、なんでいつも一人分足りないんですか?」
「え?足りないんですか?」
「だって、食べてないんでしょう?」
「…ああ、俺の分は作ってないです。」
「? なんで?」
「…生ゴミ漁ってますから。」
「…………………は?」
ホセの意味不明な回答に料理長は大混乱。
「調理すると光熱費がかかるので。」
____光熱費の問題じゃないだろ!!
料理長は心の中で激しい突っ込みを入れた。


