ラショナリズムシンキングLOVE

<現在>

「あの頃は本当にいじめ甲斐があったな…」

一人で感慨に耽っているとだんだん夜が明けてくる。

昨日しっかりと行動可能範囲とを聞いていたホセは迷うこともなくクラウンの部屋がある K塔十二階・十一階・最上階の展望デッキ(十三階)までに全自動清掃魔法をかけて回った。

すべての部屋に塵一つないことを確認すると次はキッチンに向かう。

万能創造魔法で食材を出し、永久保存魔法でキープ。
音声制御魔法で音を洩れないようにし、視界拡大魔法で生命体(食事がいる者)の数を把握。

そして調理開始。



本来なら魔法はこんなにやたらめったら使えば魔力喪失状態に陥るのにホセが平気なのはなぜか。

とうに絶滅したはずの万能創造魔法が使えるのはなぜか。
答えは簡単。

[鍛えたから。]+才能。




ホセは調理を終えて完璧以外の何物でもないナポリタンを食堂に並べ風味保存魔法をかける。

当然クラウン___というか恐らくルスタミアス中の屋敷のスケジュール(ある書物 全415巻 に書かれている)を熟知しているホセは一食分の食事を持ったまま、素晴らしいバランス能力でクラウンの部屋に戻る。

「起床時間だ。起きろ」

「…ん?ホセ?」

「ほら、食え」

「ハーイ」

素直に食べ始めるクラウン。

ホセはその間に湯を沸かす。

「湯あみをしてこれに着替えろ」

「ハーイ」

寝起きのクラウンが素直なことを熟知しているホセはせっせと皿を洗う。

「…そういえばホセ…」

湯あみから戻ったクラウンは眠たそうにしながらホセに話しかける。

「なんで働いてるの?こんなに」

ホセは怪しい笑みを浮かべて答える。

「置いてくれるんだろ?


とりあえず死ぬ気で働いとくか、と思って」

クラウンの首筋を冷たい汗が流れる。

____ホセ、本当に死ぬ気?




その頃、清掃員とコックはかなり驚愕していた。