「分から、ないのか、お前は。俺をかばえばかばうほど、お前の立場が悪くなるってことに…」
「ホセ…」
「吸血鬼はどうあっても吸血鬼だ。うあがこうと危険なのには変わりはない…だから言っただろう、お前は最高神なんだ」
ゆらりと、危なっかしげに揺れたホセは、一瞬意識が飛んだようで。
「吸血鬼と関係があるなんて、そんな汚らわしい…将来、何かに響いたらどうする気だ。取り返しがつかないんだよ、そのくらい何故分からない…!」
そんなこと、どうだっていい。
クラウンはそう声の限りに叫んで、でもホセは止まらなかった。
「だから俺はアクアを…アクアを遠ざけたのに…何故だよ、何でくるんだよ…!」
ああ、そういうこと、とクラウンは思った。
アクアを傷つけて追い払ったから、あんなに負い目を感じてたんだ。
「順風満帆な人生を送りたいだろ…!?俺を地獄に返して、地獄なら、あそこなら…」
ポタリ、と溢れた涙には、ホセは気がつかなかったみたいで。
「俺だけが…傷つくだけだったのに…!」
悔しげにそういって、ホセは限界を迎えてパタリと、気を失った。
「…」
その体はあまりにも軽く華奢で、きっとまた、何も食べてなかったんだろうななんて。
クラウンは思った。