◆しりとり◆

「なーなー、アクアしりとりしよーぜ」

「いいですけどウィングとですか?」

「ああ」

「何から始めるんです?」

「ん~と、じゃあ、あ、から」

「ant」

「…鳥」

「red」

「……ドア」

「arrow」

「………馬」

「March」

「チーズ」

「zoo」

「うし」

「singer」

「雨」

「measure」

「…な、普通にやらね?」

「普通じゃないです?」

「あのな、普通は人間語混ぜねえの」

「でも教育的にこっちのほうがいいじゃないですか」

「遊びだからな?」

「でもホセはギリシャ語と中国語と韓国語のどれかですよ。私はフランスと標準語(英語)しかできないんですけど。」

「語学の天才きた。」

「ウィングもすごいですよ。あの…あの…ちゅ、ちゅーせーとか…さんせーとあるりんせーとか」

「中性と酸性とアルカリ性か…?」

「はい!!糖酸が危険なんですよね」

「うん、塩酸な。塩」

「あ…調味料って覚えてたんですけど…」

「止めよっかそれ」

「で、しりとりは?」

「やめとく。お前に勝てる気がしねーや」

「ずるいですよ!!」

「いやいやいや。じゃあ理科用語ならいいぜ」

「そんなのだめですよ!!」

「じゃあ医療」

「ウィングもそこまでできないのに」

「いいじゃんかはい、医療」

「う、膿」

「み…みってなんかあるか」

「ほら全然続かないじゃないですか」

「じゃ、本の題名な」

「それは自信あります。君と僕との恋愛日記」

「木々と草花の観察」

「月の夜と世の恐怖」

「…?冬の森」

「リンゴのような君の頬」

「……おしべとめしべ春の花全百種」

「朱に染まる青空」

「何読んでんだアクアぁぁぁぁ!!」

「そりゃ色々ですよ」

「やめろその甘と恐怖のミルフィーユ」

「刺激的なのがいいんです」

「平和的なの読めよ!!」

「もう十五なんですよ。首飛んだって平気ですよ」

「やーめーろー(怒)」

「はいはいら、ですよら」

「もういいよ!」


   しりとりend

天使のような恋人はそれでもやっぱり悪魔です。