「…無事か」

クラウンは相変わらずの疑問符無しの疑問系の問いかけに懐かしささえ感じる。

「…死ぬなよ」

___何で無愛想なの

相変わらず、なんてクラウンは感じた。

「…」

___何で黙ってるの。

___ずっと待ってたのに。


次から次へ撃っていく。

男たちの悲鳴がやけに大きく聞こえた。

「クラウン」

二度と動かないと思っていた身体。

「悪かった」

開くことはないと思った唇。

「それより、言うことあるでしょ?」

悪戯にクラウンが笑えば、戸惑った様に顔をしかめる。

「ただいま、は?」

「…ただいま…………?」

___疑問符の付け方、やっと分かったみたい。

「お帰りなさい、ホセ」

クラウンが満面の笑みで返すと、血の気の無かった顔に僅かに朱が差した。

「……………ありがとう………な」


ごく自然に、ホセは笑った。





そのとき、

「あーあ。困った」

なんて、セイは人知れず呟いてたんだとか。