【ウィングside】

「…」

「どうかしました?」

「…元気、だよ」

「クラウンに地獄から引きずり出されたんですってね。クラウンらしい暴挙だと思って」

「暴挙…!」

「星達に聞いたのに教えてくれなくて。酷いと思いません?」

「…何でもやってるよ。相変わらず」

「そうなんですか?やっぱりすごいですね!」

ホセ、アクアはお前のこと今でも会いたいと願ってるのに。

「私にあってくれる気ない感じです?」

「だったよ^ ^」

どんな顔で?

アクアは気まずさなんて感じてない。

一生の別れにしては、あまりにもお前が側にいすぎた。

「ホセちゃんと食べてました?」

「…まーぁ…それなりには…」

「食べてませんね。絶対」

「まーそーとも…言えるかな」

「そーとしか言えません」

「んだよ。前は本当に可愛かったのに」

「ウィングが可愛くなりました」

「止めて。本当に許して…」

奴(ホセ)の影を地味に追っている…追ってしまってる…

悲しい。悲しい。

何故俺は可愛い可愛い俺の彼女にまでいじられなきゃいけないんだ。

俺はこの性格を呪った。

「ウィングは可愛らしい顔してます」

「止め。俺もお前も大いに誤解される」

そうだ。色々誤解を招くだろ。

「まさか★」

黒い。黒いよアクア。

君から笑顔を抜いたらホセになりそうで怖い。

今完全にホセの影がちらついたぞ。

「素直なお前はどこいった」

「素直ですよ♪私」

「…」

天使のようなアクアにもやっぱり奴が混ざってる(泣)


「ホセが元気で何よりです」

ニコッと笑ったアクアにはやっぱり瞳に力がなかった。

【sideウィング】END