___カタン

「…」

___ピンポーン♪

「…?」

タタタッと玄関に向かい、扉を開ける。

「ただいま~…♪」

___分かりやすいんです、何かありましたか?

そう問えば、彼は溜め息を着く。

「…じいさんがな、死んでもうたわ」

「そうなんですか」

「ああ。…眠るように死んでった」

「苦しまなくて良かったですね…せめて…」

「ああ」


沈んだ表情のウィング。

でもそれよりも、ウィングは心配だった。

少し戻ったとはいえ、相変わらず瞳には力がない。

すっかり軽くなった体重を感じながら、ヒョイと抱き上げる。

「…」

「元気出せや。な?」

「大丈夫です!それよりも、遅かったじゃないですか。心配しました」

「わりわり。かわいい女の子が帰らねーでってww」

「むう…浮気ですか?」

「まさか。お前が宇宙一大切さ♪俺の次に」

「クスッ!はい」

「じゃ、久しぶりに愛を語り合おうぜ?」

「やだ///ウィングはいっつもスキンシップが激しいんですよ」

軽く頬にキスすれば、朱に染まる彼女がかわいくて。

「…」

___伝えられる訳ねえ…

もう傷ついて欲しくない。

「入ろうぜ、アクア」

「はい」

揺れるライトブルーの髪をウィングはいとおしく思った。