ラショナリズムシンキングLOVE

「…」

「おっきーね♪」

「そうだな。じゃ、行くか」

真っ赤な病院を見ておー、と言っているアクアをヒョイと抱き上げ、ホセは病院に入って行った。

「ちょっと待ってろよ」

「はぁい♪」

待合室の椅子に座るアクアを見届けて、ホセは受付へと歩く。


「…いえ、親は居ないんです。気づいたら…あの部屋にいて…」

「そうなの?それは大変ね。この奥の3番のお部屋に入ってくれる?」

「はい」

「あ、それと」

「…」

「あなたは入らないでね」

「………はい」


今に始まったことじゃないだろう。

そう自分に言い聞かせるホセ。

"吸血鬼だから"そのせいで公園にもあまり行けない。

遊園地にもいけない。

バスにも、電車にも、公共の施設には利用制限がかかる。

___そうだ、今に始まったことじゃない。

出歩く時はいつも、自身に支配系魔法をかけて遺伝子を操り、種族を隠す。

そうやって上手くやって来た。


「アクア、3の所だ」

「…あれだよねっ!」

「ああ。よく分かったな。いってらっしゃい」

「はぁい♪」

とことこおぼつかない足取りで歩くアクア。

辛そうに見送るホセを見てはいない。

「…痛いの、やだ…」

診察室に入ったアクアは、早くも大きな白い機械を見てしまう。

逃げ腰になったアクアを医師は難なくとらえてしまったのだった。