【チビホセside】

「っ…ローズ…」

分かった。

理解したくなかったけど。

分かった。

産んだら、死ぬ。

分かった。


「ローズ…」

喜べないよ。

ローズ。

やっぱり、一緒にいられないんだね。

「ごめん、俺に…」

"力があれば"

守ってやれた。

ごめん、ローズ。

やっぱり、俺は弱い。

「…うぅ…」

あと、もう少し。

「はぁ、ああああっ…!」

「…」

「ローズ…!?ローズ!」

産まれた。

産まれてしまった。


ローズはがっくりと、力つきた。



ああ、ローズ?

やっぱり、約束って儚い。

「さよなら。ローズ」

言いたかった。


「ふみゃぁふみゃぁ…」

「「……」」

ああ、そうだ。

赤ちゃん。

ローズの引き換えに産まれた子。

「…」

君は、生まれつきお母さんがいない。

「ローーーーーーズゥゥゥゥ!!!」

思い出したように、ダイアが叫んだ。

ローズ。

ローズ。

ローズ。

ダイアにとって、ローズは大き過ぎたよ。

何で、死んだ?

ローズ。

何で、消えた。

「ふみゃあふぁみゃぁ」

可哀想。




…あれ?


何で、何も感じないの?

【チビホセside】 END