ラショナリズムシンキングLOVE

【過去ダイアside】

「…」

「どこにいるんだろうね…?」

朝ごはんができてなかった。

それだけのこと。

でもそれは同時に、ホセが仕事をしていないことを意味していて。

父さん達は激怒した。

そんなこと、ホセが分かっていないなんて思えなかった。

辛すぎる毎日から逃げたのか。

理不尽な労働に反抗したのか。

考えられない。あんなに従順だったんだから。

「探しておいで!そして罰を与えてきなさい!」

そういわれてホセを探す俺とローズ。

「!ダイア、あれって…」

「っホセ!?」

庭の水道のところで、しゃがみ込んでる幼子。

まちがいない。あれはホセだ。

「ホセ、お前何して…」

「…!」

溜めた水の中には、父さんのカバン。

その中に手を突っ込んで丁寧に洗っているホセ。

「あ、ごめんなさい…」

俺達に気付き怯えたように振り向いたホセ。

「御用…でしたか…?」

「っ…」

まともな栄養をとってないせいで青白く細い。

ボロをみにまとったホセは貴族の出とは到底思わせなかった。

「大丈夫…なのか?」

「ごめんなさい。心配かけてしまって」

「…こいよ…」

「はい」

非常に従順なホセは疑うこともなくついてくる。

「…」

どこに向かうのかさえ聞いては来ない。

「ホセ、おいで」

囁くようにローズが呼ぶとトコトコローズの方へ歩いて行く。

「御用でしょうか?」

「いい、動くの、しゃべるの駄目だからね?」

「…」

こくんとうなずくホセ。

俺はローズと顔を見合わせた。


素早くホセにフードを被せ、ローズが抱き上げる。

見つからないうちに二階の俺の部屋へと運び込んだ。

ローズはのこり、俺は庭に戻って蔵に鍵をかける。

ホセは閉じ込めてあると言えばいい。

しばらくは休ませてやれるだろう。


これは、ホセ救出作戦。

少しでも、休ませてやりたかったから。