ラショナリズムシンキングLOVE

『あ…』

ふとダイアが声を漏らした。

つられて俺もそちらを見ると、何もいつもとかわり無さそうだった。

ただ…

雨の中、何故かホセが庭石に顔を打ち付けてること。

『わ~っ!バカバカバカ!』

あの綺麗な顔を!←

「折れない折れないオレナイオレナイ」

はい?

「オレナイオレナイオレナイオレナイオレナイオレナイオレナイオレナイオレナイオレナイオレナイオレナイ」

狂っちゃったよおい。

「ナンデ…?」

ポロリ、と涙が落ちた。

「ドウシテナノ?」

ただ一人、ホセは雨の降る庭で泣き崩れた。

「ボクハドウシテシアワセニナッチャイケナイノ?」

だいぶ普通の言葉を忘れかけているホセ。

忌々しそうに口に手を当てた。

「コレガナケレバ、イイノニ」

触れていたのは___

多分折ろうとしてたのも___

可愛らしく小さな尖った犬歯だった。

「コレサエナケレバ、ヨカッタノニ」

ピチャピチャと水音が響いた。

「お帰りなさいませご主人様。ごめんなさい」

さっきとはうってかわって、流暢に話したホセの背後には、兄と姉…
つまりローズとダイアがいた。

「ごめんなさい。生きててごめんなさい。ここにいてごめんなさい」

「…お父様たちが呼んでるわ」

「…玄関にいる」

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」

「…早くいった方が良いよ」

「はい…ごめんなさい」

二言目には必ず"ごめんなさい"。

無表情なホセは雨の中傘もささずに歩いていく。

よそ行きの格好のまま、ダイアとローズはそれを見ていた。


「遅れて ご めん な さい。お帰 りが思っ た より早く て。」

「言い訳はいいから早く荷物を上げなさい」

「ごめ ん なさい 。了 解しま した」

両親に対しても、ごめんなさい。

もはや意味がわかってるのかわからないのかさえ定かじゃなかった。

「全く。使えない子ねあんたは」

「本当だ。置いてやってるだけ感謝しろよ全く」

「ありがとうございます。本当にごめんなさい。」

「…お母さん…私が持つ」

いつの間にか来たローズが荷物を軽々と持ち上げた。

「本当?まあ何て優しいの!それに比べて…」

そういって母親はホセを睨む。

ホセはシュンとなって小さな体で父親の荷物をヨロヨロとしながら持ち上げよとする。

___バシャッ