ラショナリズムシンキングLOVE

【ウィング side】

「起きなさい!起きなさいったら!」

「…」

昨晩からずっと起きていたホセは感情もなくフラフラと小屋の外に出た。

呼び声のする方へと歩く。

鎖はもうなかった。

「まったく、何してたの?」

「…ごめんなさい」

「…本当に気味が悪いわ…」

「…ごめんなさい」

「今から出掛けてくるから、ちゃんとお留守番しといてよ」

「はい。ごめんなさい」

「良いわね?」

「はい。ごめんなさい」


門を閉じ出ていく家族達を見送りながらホセは屋敷ないへと入っていった。

「…」

無表情のまま巨大な扉を開ける。

そこは、図書室だった…

『すげぇ…』

俺は暫しその光景に見とれていた。

___カッカッカッカ…

そうこうしているあいだにもホセは本棚の合間を縫っていく。

「…ここだ…」

『っ!?』

今、何故驚いたか?

それはな、声が、低かったから。

ついさっきとはまるで違う、声変わり中の少年のような声。

俺は吸い寄せられるようにしてそちらに歩を進める。

『あれ、ホセ…?』

ホセは遠くの方で座りこんでいた。