【ウィング side】
意識を失って、目覚めたらまた自分の体だった。
そこはでかいお屋敷の庭。
『…大丈夫か?』
はいはい。心配かけてスミマセンねぇ。
ムッとしながら俺は起き上がり、辺りを見回す。
するとホセがくりんくりんの目を不安げに泳がせていた。
「カ、カワイイ」
はいはいしかできないのか、犬みたいになってるのはスルーだ。
「ママ、お腹すいた…」
「…」
異物を見るような目でホセは睨まれた。
「…う、うぅっ…ふぇぇ、ふゎぁぁぁぁん!」
ホセは冷たい視線に耐えかねたのか、ふるふるしながら激しく泣き出す。
___ピッ…
「黙りなさい。うるさいのよ」
「う、うわぁぁぁっっっ!!!」
『ダメだ!ホセには強すぎる!』
『…』
あんたの方がうるさいですよ、ダイアさん。
『ちょっと黙れ』
『…わるい…』
うなだれてんだけど?
わかってるならしゃべんなー。
『…』
「ひゅ~ぅひゅぅひゅぅ~…」
ホセはこのとき学習したんだきっと。
泣いたらダメだって。
「ごめんなさい…」
すすり泣きひとつもらさずにピタリと泣き止んで小さくホセは呟いた。
『こうやって子供らしさってのは、一つ一つ失われていったのか』
誰に言うでもなく俺は呟いた。


