「いいでしょー!!」
「なんでだ」
「見苦しいよー♪ホ・セ♪」
「ほっといてくれ」
泣き疲れたのか、目の下にはくっきりと隈ができてしまっている。
絡み付いた鎖に身を任せ、億劫そうに冷たくクラウンを見上げるホセはぐったり背後の壁に持たれかかっていた。
その肩を容赦なく揺さぶる最高神の娘クラウンをケルクは殺意のこもった目で見つめる。
__迷惑がってるだろうが!ホセを離せ!
同じようなことを囚人以下約十五名が思っているとは、ケルク、そして。
「いいでしょー!」
↑ は気が付いていない。
泣き出しそう、でもないホセは無表情にどうでもよさそうにしている。
「なんで俺なんだ。ほっといてくれクラウン」
「ほっといたら自殺未遂の通達が来そうだから」
「失礼な奴だなお前は」
「事実だもん」
「とにかくほっといてくれ…俺はここに居たい」
「ヤダ」
ニカッと綺麗にそう微笑んだクラウンをホセは生気のない瞳で見つめる。
__聞き分けの悪い奴め。
ホセはそう思った。