「えっ…?ママ…?」
ベビーカーが倒れ、ホセはその下敷きになる。
必死にもがいて出ようとするが、さすがに押し退けられない。
「ん…んん…助けてよ…」
グスンと涙を流しながら、小さくなってフルフルと震えるホセ。
もう看護師はいなくなっていた。
___ガシャンッ!
「フグッ…ありがとう、お姉ちゃん…」
ベビーカーが蹴り飛ばされ、ホセも少し吹き飛んだが嬉しそうにペタンと座り込んだ。
「ねぇ、抱っこして!」
保育箱で見ていたせいか、ヘニャッと笑うと、クリクリした瞳で家族を見上げた。
『うわぁぁぁぁぁっっ!愛してるよホセぇッッ!』
俺は鼻血を出して発狂した。
え、なんでわかるかって?
実はほんの少しだけ俺にも客観視の素質が…
___ドンッ!
「? 何で…?」
ションボリしてるぅぅぅぅぅっっ!
ってかないてる?
「これを着けろ」
「…うん」
首輪?みたいなのを渡され、物凄く混乱してるホセ。
当たり前だ。初めてあった家族に抱き締められるどころか蹴り飛ばされるんだから。
「…んん…う、んん…」
頑張って黒いチョーカーを着けようとする。
ゲキカワッ!
永遠の愛を誓((殴
ごめんなさい。
「…出来た!ニコッ」
ばふもぁぁぁぁぁ…
え?いいとこが台無し?
…悪い。真面目にやる。
「…」
___ピッ
「!?」
無情に響いた電子音。
ホセは、叫んだ。
「い、痛いよっ!死んじゃう!助けて!ビリビリするよぉぉぉぉっっ!!」
夢中になってはめたばかりのチョーカーを引っ張る。
___痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いッ…
『!?』
いつの間にか俺はホセになっていた。
身体中に電流がほとばしる。
外そうともがいても外れない。
「アァァァァァァァァッッッッ!!!」
目を見開き、ひときわ高い声をあげたかと思うと、視界が暗くなっていった。


