ラショナリズムシンキングLOVE

◇過去◇

「ふぎゃぁ、ふぎゃぁ…」

赤い瞳、紅い髪、柔らかく白い肌。

まちがいなく、アイツ、ホセだ。

「「「「…」」」」

「ふぎゃぁ、ふぎゃぁ…」

身を捩りながら泣いている赤ん坊。

本来ならまわりは喜び、わいているはずなのに、どこかおかしい。


しいんと静まりかえっている。

「心中御察し申し上げます…」

医師と見られる人物がまるで葬式のようなことをいった。

赤ん坊は抱かれることもなく、白いベッドに放り出されていた。

「…ァ、ママァ…?」

「キャァァァァァァッッッ!!」

『…ホセ、喋ったのか…?』

俺の体は透けて、言葉は出ない。

それでも、五感はあった。

「喋ったわ!気持ち悪いっ!」

「ダイア、この赤ん坊、変…」

「…やいばが有るんだよ…赤ん坊なのに歯ははえ揃ってるし、犬歯が…」

『アイツ…』

嫌悪に満ちた表情でホセを見ているのは母親と思われる女、父親であろう男、
そして少女と、彼女と同じくらいの少年、あの空間であったやつがいた。

「気持ち悪い…」

「あれが吸血鬼か…」

「嫌よ!こんなの要らない!」

突然女が叫び出した。

「そうだ、いくらでも払う!これを捨ててくれ!」

『っ…あいつらぁ…』

なんなんだよ!生まれてきた瞬間に!

こんなことって…あっていいのか!?

「捨てちゃダメなの…?」

「『魔界には、子はどうあっても知能テストがある七歳の誕生日まで育てなければならないんだ。』」

『っ!?お前…』

目の前の少年…たぶんダイア…と同じ姿のやつ、つまりさっきあったやつが俺と同じようにいた。

『…ホセ…ごめんな…』

『…なんなんだよ!いきなり…こんな『分かってるよ!今では!この時の思い出が、一体どれ程ホセを傷つけたか位!
でも…俺はバカで…吸血鬼なだけで、アイツを嫌った…』

肩が震えてるのは、きっと泣いてるんだろう。

でも、この仕打ちは…っ

「…ママァ…パァパ…?」

結局ホセは、ゴム手袋をした看護師に抱えられるようにして連れていかれた。

途中不安げに、何度も何度もフルフルと震えながら。