〝あの日、尋雅が見た美兎の日記に私が死んだって書いてあった日に私は事故で死んだんだ〟
俺はふと一年前の大きな事故を思い出した
「もしかしてあの…」
〝そう。巻き込まれた人の中に私と美兎がいたの。身体がね、勝手に動いてた…雨でスリップしたトラックが突っ込んでくるのが見えて美兎が危ないって…守らなきゃって…〟
「ちゃんと守れてたよ」
お前の妹はちゃんと生きてる
〝うん。本当によかった〟
そう言って目尻に涙を浮かべる愛兎
俺はそっと指で涙をすくった
〝ねぇ尋雅〟
切なげな表情で俺を見る愛兎
「なんだ?」
〝私の最後のお願い、聞いてくれる?〟
愛兎のその言葉に、この幸せな時間がもう長く続かないことを悟った


