「どうして?」
珠羽が大きな目からポロポロと大粒の涙をこぼしている
「他人になるってことは自分を押し殺して、自分の存在を消さなきゃいけない。しかも俺達が今まで違和感を感じたことがあっても、愛兎じゃないって今の今まで気づかなかった」
普通は気づく
いくら双子とはいえ、違う人間だ
でも俺たちは気づかなかった
つまり美兎ちゃんは
「完全に心の中から自分を殺したんだ。消したんだよ。自分の存在を否定し続けたんだ」
簡単に出来ることじゃない
でも美兎ちゃんはそれが出来た
けどきっとそれは
「美兎ちゃん自身、愛兎が死んだことを受け入れられなかった。たった1人の愛する家族が死んだ。日記を見る限り美兎ちゃん、愛兎のこと尋雅以上に好きだよ。毎日愛兎のこと書いてる」
俺がそう言うと、尋雅はノートをペラペラとめくって見ていく
「ほんとだ…」
「美兎ちゃんは愛兎が死んだことを受け止めきれなかった。きっと美兎ちゃんは愛兎になることで、愛兎は死んでないって否定したかった、そう思いたかったんだと思う」
でもそれは同時に
自分を殺していた


