さくら館へようこそ!

萌威は、手を頭の後ろにまわしてゆりを見つめる。

「桜ちゃん。」

「何?」  

「わたしだって、桜ちゃんに隠してることあるんだよ?」

「そうなの?」

わたしは、顔を上げて萌威ちゃんを見る。

「もちろん。」

萌威ちゃんは、ニコッと笑う。

「そ、それって、何なの?」

わたしは、萌威ちゃんのそばに寄る。

「隠し事なんだから、秘密だよ。」

萌威ちゃんは、目を閉じてそっぽを向く。

「えー。」

わたしは、唇をとがらせる。

「でも、まあ、いつか教えてあげる。」