でも彼女は次の年、コンクールに出場しなかった。

その次も、そのまた次の年も。



いきなりコンクールに出場して、優勝して消えたキミ。



その一度だけだった。




彼女はピアノ教室に所属しておらず、誰か分かることもなかった。


知っているのは名前だけ。


小鳥遊麗(たかなしれい)




いつか会えたら、この想いをキミに伝えたい。