「……ごい…」 「え?」 何を言ったか聞き取れなかった。 私は彼の方へ体を向ける。 『どうしたの』と言おうとした瞬間、 「すごい!すごいよ!!」 そう言って思いっきり抱きしめられた。 理解できないこの状況に言葉がなくなる。 だけど、どんどん強くなる力に、さすがに苦しくなって「ギ、ギブ…苦し…」と言ってしまった。 『ギブ』って、私色気ない………。