「可愛いでしょう? 私と君の子どもなんだ」 「……。俺は知らない」 「そう? 君が何て言おうとどうでもいいけどね」 でも、と続けた。 「君は知っていたよね。私が妊娠していたこと。私があんな冗談言わないってこと。あのごまかしに甘えたんでしょう? 私なら君の為に黙って堕ろすとでも思ったのかな」 その考えはあながち間違いじゃない。 確かにそうしようとしたもの。 だけど出来なかった。