そこで、蓮見が『以上です』と座ったので、必然的に、あたしの番になった。




もう、頭は真っ白どころか、透明である。



これまで目を通したあらゆる就活サイトの情報も、本に書かれていたことも、何一つ出てこなかった。




それほど、『蓮見ショック』の影響は甚大だったのだ。





あたしは諦めの境地に至って、投げやりにこんなことを言った。







『隣のかたほどではないかもしれませんが、私もなかなか優秀な人間だと思いますので、私を採用して損はないかと存じます』






―――いま考えても、なんでこんなことを言っちゃったんだろう、と信じられない気分だ。






でも、とにもかくにも、なぜか、蓮見もあたしも、このササキペンから採用通知が届いたのだった。