君だけに、そっとI love you.




お母さんウサギの方はというと、横たわりながらも両頬が膨らむぐらい人参の餌をガツガツと食べている。




凄い、食欲。





──母親は強し。






産後は休む間もなく、さっそく育児が始まる……。





なんて、忙しいんだろう。






私は、いつの日か自分の愛する人と出会い、子供を産む時が来たら──。






今、目の前にいるような母親ウサギのように強くなれるのだろうか──?







いささか、掬恵の胸の中に不安がよぎる。







私の母親は昔から天然な性格の持ち主で「出産って、本当に凄いのよ!よく、鼻からスイカが出るのに凄く似ているって言うじゃない?あれ、本当よ!掬恵、想像をしてみて……」って笑いながら、







しかも喜んでいるようにもみえる表情で、全く開いた口が塞がらない私に飄々と話しかけるんだから。







しかし、初キスもまだ経験をした事のない私がただ話を聞いただけで自分の出産をする姿を簡単に想像が出来るはずがない。