一時間目が終わった休み時間。
掬恵と周翼は机の上にとりあえず二時間目の現代文の授業の用意をし、急いで教室を飛び出した。
飼育小屋を目指して、走るっ、走る、走る!
途中で息が切れそうになる掬恵。
ようやく飼育小屋に辿り着いた掬恵と周翼。
柵の隙間から目を覗かせて必死にウサギの赤ちゃんの姿を探す掬恵。
ウサギの赤ちゃん、いったい、……どこにいるんだろう?
周翼が真っ直ぐに指差した。
母親ウサギのお腹の辺りでモゾモゾと動いている赤ちゃんウサギの姿が時折わずかに見える。
いた、体が本当に小さい。
ほとんど産毛ぐらいしか皆生えていない、むしろ地肌に近い。
あまりにも小さすぎて、鳥の雛か、ネズミの赤ちゃんに間違えてしまいそうなぐらい。



