ぶつぶつと言いながら白い色の付箋を一枚取った掬恵。






書き終えた付箋を周翼の机に貼り付ける。







――【生まれたって、いったい何が生まれたの?】







付箋の中の文章で“何が”という文字が特に強調をされていて大きな字で書かれていた。






掬恵が書いた付箋の余白に小さな絵を描き始める周翼。







──2、3分が経った。







鉛筆をそっと置いて、描き終わった周翼。







どうやら納得のいく絵が描けたようで満足なようす。





再び付箋を掬恵の机に貼る周翼。







付箋の絵を見た掬恵が深く考え始める。






坂口くんが描く絵のサイズはいつも私の親指の爪の中に納まるぐらい小さな絵のサイズなんだ……。






もう少し、大きく描いてほしい。






本人は自信を持って力作のようだけれど、私には凄くわかりにくい。