玄関の扉がバタンと静かにゆっくりと閉まった。







掬恵の姿が見えなくなってもずっと玄関で暫く手を振り続けている掬恵の母親。






──子育てにこれが一番正しいというマニュアルや教科書は存在しない、子育ては常に手探りでずっと模索だ。







一人娘で大事に育て過ぎたかもしれないという不安はある。







いつか、この手に孫を抱く日が来たらいいのに……と夢を見ている掬恵の母親。





気持ちを切り替えて掬恵が食べ終わった後のお茶碗と箸を片付けにキッチンへ向かった──。