今朝、朝から鼻歌を歌いながらベーコンエッグを作る母親の手を力尽くで止めた。





母親はそんな私を見てビックリして少し怖がっていた。





朝から洋風の食事ばかりを毎日作ろうとする母親。






地味子の私を心配して、しっかりとした物を朝から食べさせなければという母親の温かい思い。






その努力に本当に心から感謝をしているけれど、たまにはあっさりとしたお茶漬けを食べたい日がある。






母親が作る食事、私が食べたい物の葛藤。






今まで、ずっと母親に素直だった私。






思春期、少し母親に朝から反抗。






その日、勝ったのは私だった──。






本当は、勝敗の問題ではない。






お母さん、わがまま言ってごめんね──。






学校の鞄を肩にかけて掬恵が家を出る。






「行ってきます……」







──今日もどうか良い一日でありますように!