ほとんど口数の少ない坂口くんは授業中も窓の外ばっかり眺めていることが多くて、 あまり私から話しかけることはそんなになかった。 私達は──、笑って、喧嘩をして、気づかないうちに仲直りをして……。 そんなことを繰り返して、いっぱい思い出を作ったよね。 ──高校三年生の秋。 坂口くんは、私を急に一人ぼっちにした。 寂しすぎて───。 辛すぎて、向き合えるわけがなかった。