溝口先生に言われた通りに照れ笑いをしながらお絞りを部員達に配る掬恵。
口々に「サンキュー!」と受け取る部員達。
そして、くるくると丸められたお絞りを広く広げて顔一面にペタッと貼り付けて気持ち良さそうにしているキャプテンの西島(にしじま・高校3年生)。
西島が「冷えたお絞り、最高!」と親指を立てて掬恵に笑いかける。
イケメンフェイスで180cmの高身長の西島が白い歯をキラリと光らせ、爽やかで自然な笑顔がまた一段と眩しい。
「そっ、そんなに……喜んで頂けるなんて。私は、凄く光栄です!」
腰が引くい掬恵。
溝口先生が戻ってきて、掬恵の背中をドンと叩いた。
「アカン、吉井 掬恵、もっとラフになれっ!もっと、肩の力を抜けっちゅーうことや。わかったか?」
「は……、はいっ!」