静まり返った教室。
鞄を持った周翼が掬恵の机に付箋を貼り、教室を後にした。
掬恵が付箋を剥がして読んでいる。
──白色の付箋。
――【部活の練習、頑張ってきます!】
坂口くん、色が白くて全然サッカーしそうに見えないのに。
練習が一番キツイって噂のあるサッカー部に自ら身を投げ込むとは、ある意味恐いもの知らずで勇気のある男子なのかもしれない。
暫くすると、グランドからサッカー部の大きな掛け声が聞こえ始める。
坂口くん、ちゃんと練習についていけてるんだろうか?
急に坂口くんの事が心配になり始める。
廊下の窓から顔を少しだけ覗かせてサッカー部の練習の様子を見ている掬恵。