鏡を見ながら、私って、いったい誰に似ているんだろう?と考えた。
身長は156cmだい。
背が低いのはきっとひいお婆ちゃん似だね。
輪郭、目、鼻、口……。
自分のパーツを次々に順番にペタペタと手で触る。
この辺が……、お母さん似?
えぇっと、ここはお父さん?
で、お婆ちゃん、お爺ちゃん・……似??
考えすぎて、考えすぎて……。
頭がパンクする。
急に、何だか……、私は誰にも似ていないような気がしてきて、ついため息を漏らし、不安に押し潰されそうになる。
そんな時、私は飼い猫にすがる。
気まぐれに擦り寄ってくる飼い猫を高く抱き上げて抱っこをする。
温かいねー、お前は!
飼い猫を抱っこするといつも心の中がホッと安心する。
返事をするように掬恵の顔を見ながらニャーと一声鳴く猫。
この世の中で唯一信頼出来るのは、飼い猫のキジトラのみいーちゃんお前だけだよ。
私には──、好意の意味ではなく、いろいろと親近感を感じている人が一人いる。



