周翼が空気を察したのか両眉を上へ上げて気まずそうな顔をしながら、一歩二歩と後退りをし始めた。






──おそまつながら、直ぐに犯人を見つけることができました、坂口 周翼くん。





キミは何てことを私に……してくれたんだ!





私に恥をかかせる気だったのだろうか?




この怒りをどうやって静めたらいいものか──。






掬恵がキリッときつく周翼のことを睨む。





まるで、殺気だって怒りに満ちている狐の顔のような掬恵。







掬恵がゆっくりと歩き周翼の顔に持っていた入部届けを突き付けた。





「こんな事をする人、大嫌いなんですけど!」





目が点になっている周翼。




「……ごめん。うっかり、了解を得ていたかと、俺は……思って」






「了解!?私が……するわけないでしょ」