吉井さんが嬉しそうに笑いながら西島先輩に冷えたペットボトルの飲み物を手渡す。




そして、吉井さんが書いていたスコアブックの書き方を細かく指導している西島先輩。




見ないように、……見えないようにしていたけれど。




全て、見たくなかったけれど、気になって、見てしまった光景。





確か、前にも似たようなことがあった。




俺と西島先輩が一緒に試合に出ていた時。





あの時も吉井さんに完全に気をとられていたけれど、勝つことができた。





きっと、あの時、ボールを守れたのは偶然と奇跡が重なったからだ。






今回は、試合に負けたのは自分に甘えがあったからだと思う。




また、奇跡が……、起こればいい──。




なんて、軽く頭のどこかで願っていた。