どうも、この雰囲気、話しかけようにも、話しかけづらいなぁ。




掬惠が閃き筆箱の中の付箋に手をかけるが、「やっぱり、……今日はやめよう」と首を横に振りながら手を止めた。




確か、私達、夏休みが最後の日の昨日は大切なサッカーの大会の試合があったから一緒に会ったはずだよね。




昨日、私が見た坂口くんは一体どこに……、どこに行ってしまったんだろう。





まさか、幻だったんじゃないだろうかと疑ってしまう。




掬惠が周翼の顔を2度見する。




クラスの皆、驚くはずだよ。





だって、坂口くんの黒髪が明るめのブラウンの髪に色が変わってしまったから。



急に、イメチェン?



一体、なにが、あったの!?




教えて、坂口くん──。




そう掬惠が思っていると、空を見上げていた周翼の視線が掬惠の顔へ移った。