気は、ひとときも緩められない。







ここで頑張って、1点でも入れることが出来たらPK戦に持ち込める。







みんなの不安と期待がいりまじり周翼の背中に重くのしかかる。







ゴール前で強く睨みつけるような目付きに変わり、身を構える周翼。








──負傷をしたゴールキーパーのかわり。









今まで一年生だからという理由もあり、ずっとベンチ待ちだった。









正直、俺は試合に出してもらえるようになるまで、まだまだ先だと思っていた。







だけど、今日は、やっとグランドで戦うメンバーの一員として認められた。







嬉しさと緊張で胸が高鳴り、自分でわかるぐらい胸の鼓動は早く、凄くドキドキしている。







落ち着け、落ち着け……と何度も自分自身に言い聞かせる周翼。