日差しが一番照りつける。
――午後二時――
10分遅れで練習試合の相手の学校が到着をした。
掬恵が大きめのウォータージャグを両手で重そうに持ってベンチに運んでいる。
私達の学校のサッカー部がパス・シュート・ヘディング……の基礎練習を始める。
今日の相手の学校とは、連敗続きの成績──。
だから、今日こそは“勝ちたい!”という皆の強い気持ちがひとつに繋がる。
いつもよりも練習に力が入る。
汗だくの皆、苦しそうな表情を浮かべる人は誰一人いない。
もうすぐ、試合が始まる。
しばらくして、顧問の溝口先生の「集合!」という大きな掛け声で部員達がベンチに向かって駆け足で集まる。



