もし、また、出来物ができるようなことがあったら……、と考えると──。






辛いけれど、“サヨナラ”をせざるを得ない。







微かに唇の先を震わせる掬恵。






「東先生、私は眼鏡をはずします……」







「じゃあ、コンタクトに……?」






「──・は、はいっ」






返事をした瞬間、思わず涙が溢れ出そうになった。







「僕は、吉井さんが眼鏡を凄く大切にしている気持ちを、良くわかるよ。よく、決断をしたね。その決断は、きっと必ず良い方向へ向かうから──」







東先生が微笑む。







──東先生の優しい言葉に、救われる。







東先生がそう言ってくれるのなら、そうなのかもしれないという気持ちになってきた。







前向きに考えれば、相棒に綺麗な“サヨナラ”ができそう。






バトンタッチ──、





眼鏡からコンタクトへ。