吉井さんの家を出る時、吉井さんのお母さんに一度呼び止められた。 僕は、もしかしたら──、叱られるんじゃないかと思った。 けれど、 「これからも、掬恵のことをよろしくね──」 という暖かい言葉を吉井さんのお母さんからもらった。 嬉しくて、微笑みながら「はいっ」と僕は軽く会釈をした。 帰り道、今日の一日を思い出しながら僕は歩いた。 吉井さんは、僕と一緒にいて、楽しかったのかな? もし僕と同じ気持ちだったら、僕も嬉しいけれど──。